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日本における工務店の歴史

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江戸時代から明治時代にかけて

日本の工務店の起源は、江戸時代の「棟梁」に遡ることができます。当時の棟梁は、現代の建築士と工務店の役割を兼ね備えており、設計から施工、さらには職人の手配や資材の調達まで、建物の建築に関する全てを統括していました。彼らは「家守り(いえもり)」として、地域に根ざした存在でした。

明治時代になると、近代化に伴い、西洋建築の技術や工法が導入され、木造建築だけでなく煉瓦造りや石造りの建物が増えていきました。それに伴い、棟梁の家系が事業を拡大し、「組(ぐみ)」や「工務店」といった企業形態へと発展していきました。

戦後から高度経済成長期

第二次世界大戦後の住宅不足を背景に、政府は住宅の供給を促進するための様々な政策を実施しました。1950年代には、住宅金融公庫が設立され、住宅建設のための融資制度が整えられました。この公庫から融資を受けるためには、法人化された企業である必要があったため、多くの大工や棟梁が「工務店」として法人を設立しました。

また、公庫が定める仕様書に沿った工事を行うことで、工務店の技術力は底上げされました。この時代には、プレハブ住宅メーカーも台頭し始め、住宅の工業化・産業化が進みました。

1970年代以降

1970年代に入ると、住宅不足が解消され、住宅産業は大きな転換期を迎えます。プレハブ住宅メーカーがさらに市場を拡大する一方、工務店は木造在来工法の強みを活かした家づくりを進化させていきました。

1990年代には、プレカット工場の普及により、現場での木材加工が不要となり、作業の効率化が進みました。また、阪神・淡路大震災を契機に、耐震性への意識が高まり、工法や金物の技術が進化しました。

現代の工務店

現代の工務店は、単に建物を建てるだけでなく、顧客の細かな要望に応える「注文住宅」のプロとして、地域に密着したサービスを提供しています。歴史的に培われた在来工法の技術を活かしつつ、最新の建材や工法を取り入れ、高気密・高断熱住宅など、より快適で高性能な住宅を提案する役割を担っています。